日本の産業構造

お金08

第二次大戦前中そして大戦の後しばらくは、日本の産業構造の二重構造性が、よく世界に向けて日本の産業特質を説明するために言われました。すなわち、日本の産業を支えているのは少数の大企業とその下にある多数の中小零細企業であるということです。現在は、以前ほどこの二重構造の事について言及している論文などは見かけなくなりましたが、今でも基本的な二重構造は現存していると思われます。大企業は少数ながらGNPの大きな部分を占めています。これに対して、中小零細企業はGNPの小さな部分を占めているのですが、中小企業の持つ世界的特殊技術等で他が代わることのできない存在意義を有しているのです。 ある下町の町工場では、アメリカの航空宇宙極のアポロに使用される部品の製作を行っていたり、またある町工場は新幹線のフロントの鉄板加工を行っていると聞きました。こうした時代の最先端をゆく技術を持ちながらも、多くの中小零細企業は自己資本比率が低く、運転資金などで個人事業主借入の必要性を感じているところが圧倒的に多いのです。 こうした中小企業は未だに家族経営的な性格が強く、個人事業主の性格が経営に大きく反映しています。ですから、個人事業主借入の必要性も事業主の判断によって行われます。こうした借入のおかげで、企業の設備投資や日常的な運転資金が滞ることなく円滑な会社経営ができるのです。特に会計年末の支払い時期には個人事業主借入の必要性は一段と高まるという事を経営者から聞いたことがあります。